システム開発のサンロフト(静岡県焼津市、松田敏孝社長)は6月1日、インターネットで会員組織を運営できるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の運用システムを個人向けに提供する事業を正式に開始する。携帯電話から操作できる機能、サイトの更新情報を伝える規格の「RSS」による情報の受発信機能などを順次、追加していく。2月に試験サービスを始め、すでに1500人の利用者を獲得。今回の機能強化により、利用者を12月末までに1万人にしたい考えだ。
米グーグルが動画広告のインターネット配信事業に参入した。広告主は「コンテンツネットワーク」と呼ばれるグーグルの提携サイト向けに、消費者が閲覧しているサイトのコンテンツ(情報の内容)に関連した動画広告を配信できる。米国、カナダ、日本の3カ国で動画広告事業を展開する。高額なテレビCMを展開できなかった中小の広告主を開拓し、ロングテール型の広告事業を強化する。
ガーラは23日、消費者の「クチコミ」を活用したマーケティングの専門研究機関、ガーラ総合研究所(東京・渋谷)を設立する。インターネットのクチコミで伝わる企業や商品の評判を把握し、自動車や食品などの業界別に動向を分析。「自動車クチコミ白書」(仮称)などにまとめる。消費者がブログ(日記風の簡易型ホームページ)や掲示板などに書き込んでいる情報を分析し、顧客企業のマーケティングを支援する事業の強化につなげる。
日経広告研究所、ディーツー コミュニケーションズ、日経メディアラボの三社は、携帯電話によるモバイル広告について広告主企業の利用動向を調査した。それによると、05年度にモバイル広告を出稿した企業の42.9%が06年度のモバイル広告費を「増やす」とし、46.4%の「変わらない」をあわせると、9割弱が継続して利用する意向を示した。
日本テレビ放送網は18日、インターネットによる番組配信サービス「第2日本テレビ」の事業収入が初年度に1億5000万円だったことを明らかにした。昨秋のサービス開始当初は動画コンテンツ(情報の内容)の有料視聴サービスを目指したが、広告を配信して無料で視聴できる業態に転換したため、収入の大半は広告料だった。初年度に投じた費用は8億円。当面は赤字が続くが、2009年3月期の黒字化を目指している。
マスメディア企業とインターネット企業が連携するビジネスの可能性を占うとされているTBSと楽天の業務提携交渉が難航している。3月末としていた交渉期限を6月末に延長したが、具体的な内容は固まっていない。両社の協業をめぐっては、TBSが今春放送した「オールスター感謝祭」でのチャリティーオークションに楽天が協力した例があるが、「期待した以上の結果にならなかった。いきなり結果が出るとは思わないが、意外に難しいという印象だ」(平本和生TBS常務)との慎重な見方も根強い。
広告代理店大手は2007年3月期にインターネット広告の売上高が前期よりも3-4割増加する見通しだ。電通はグループ全体で前期比30%増の585億円を見込む。博報堂DYホールディングスは今期後半に新会社を設立し、ネット広告を強化。同分野の売上高を前期比45%増の204億円程度にしたい考えだ。両社とも利益水準については、明確な説明を避けている。ただ、粗利率が既存分野よりも低いことを認めており、今後はネット広告の市場開拓を進めながら、収益性を向上させることも課題になりそうだ。
楽天の三木谷浩史社長は9日、決算説明の記者会見で、インターネットを使った動画配信事業について「動画配信の業界構造はどうなるか流動的だ。できるだけオープンな形でやっていきたい。コンテンツ(情報の内容)は囲い込むよりもオープンな形を目指したい」と述べた。同社は昨年、約1100億円を投じてTBSとの関係強化を目指したが、動画配信などの業務提携交渉は難航している。三木谷社長はTBSとの交渉については「発言を差し控えたい」と述べる一方で、「オープン」な姿勢を強調。TBSを囲い込む形での動画配信強化の戦略を修正する考えをにじませた格好だ。
東京都内の大学で、コピー用紙の裏に広告を掲載してコピー代を無料にしている複写機がお目見えしている。仕掛けたのは慶應義塾大学や中央大学の学生グループが設立したオーシャナイズ(東京・港)というベンチャー企業。慶大三田キャンパス=写真、法政大市ヶ谷キャンパスに続き、5月中に東大の駒場キャンパスと本郷キャンパスにも無料コピーサービスを展開する。大学生に的を絞った広告媒体として売り込み、就職支援サイト運営会社などを広告主として開拓している。