大学に無料コピー登場 学生狙いの広告媒体に
東京都内の大学で、コピー用紙の裏に広告を掲載してコピー代を無料にしている複写機がお目見えしている。仕掛けたのは慶應義塾大学や中央大学の学生グループが設立したオーシャナイズ(東京・港)というベンチャー企業。慶大三田キャンパス=写真、法政大市ヶ谷キャンパスに続き、5月中に東大の駒場キャンパスと本郷キャンパスにも無料コピーサービスを展開する。大学生に的を絞った広告媒体として売り込み、就職支援サイト運営会社などを広告主として開拓している。
オーシャナイズの「タダコピ」は裏面に掲載する広告の基本料金がA4判のコピー用紙1万枚で31万5000円。広告に掲載したQRコード(2次元コード)から広告主の携帯電話サイトに大学生を効率的に誘導できるという。東京以外の大学関係者からも問い合わせがあるため、「夏休み明けには、コピー機の設置場所を20大学にしたい」(太田英基取締役)との目標を掲げている。
広告を掲載して、無料でコンテンツ(情報の内容)を配布する紙媒体はフリーマガジンやフリーペーパーが若年層に浸透している。「タダコピ」は学生のキャンパス生活を支援する目的で学生ベンチャーが発案したサービスだが、コンテンツを利用者の学生が決められる新しい広告媒体になりうる。コンテンツが講義のノートなどならば、広告も読み捨てられる可能性は少ない。
オーシャナイズはコピーする前に学年を利用者に入力してもらい、学年別に広告対象を絞り込む手法も研究しているという。1、2年生を対象としたアルバイトの求人広告、3年生を対象にした就職支援サイトの広告、4年生を対象にした卒業旅行パック商品の広告など属性に応じた訴求が可能ならば広告価値も高まりそうだ。
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