日テレ、PSP向けにニュース番組配信
日本テレビ放送網は23日、ソニー・コンピュータエンタテインメントの携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」で視聴できる番組のインターネット配信=写真はイメージ=を6月1日に開始すると発表した。無線LAN(構内情報通信網)経由でニュース番組をダウンロードして、外出先で視聴したいビジネスマンらの需要を開拓する。ネットを含めた「あらゆる伝送路」を使って映像コンテンツ(情報の内容)を供給する戦略の一環。放送外収入の拡大につなげる考えだ。
「日テレNEWS24 Portable」の視聴料金は月額525円。これとは別に、ニュースごとに課金(1件当たり105円)する方式も用意する。1日に3回更新する20分程度の「定時ニュース」のほか、企業経営者へのインタビュー番組を柱とした「ビジネス・ニュース」、記者会見などでの要人の発言を編集せずに配信する「ノーカット工房」で構成する。当面は3000人の利用者を獲得するのが目標としている。
新サービスは米アップルコンピュータの携帯型音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」向けに番組配信をする「ポッドキャスティング」の応用事例になる。すでに日テレはポッドキャストとしては7番組を手がけている。11月に発売予定の次世代ゲーム機「プレイステーション(PS)3」と連携した新サービスも検討中だ。同社はニュース専門チャンネル「日テレNEWS24」で放送したテレビ番組をネット配信用に高速変換するビデオエンコーダー(映像信号圧縮)を導入。ネットを介して音楽プレーヤーやゲーム機などに番組を送り込む体制を整えている。
個人向けだけでなく、法人向けサービスも拡充する方針。6月から街頭の大型ビジョン向けに「日テレNEWS24」を放映開始するほか、海外ホテルチェーンと組み、ホテルの客室で好みのジャンルのニュースを選んで視聴できるビデオ・オン・デマンド(VOD)サービス「日本語チャンネル」も計画している。
同社は既存の放送事業でスポット営業が苦戦し、広告収入が減少しており、今後の中期的な成長戦略としては放送外収入の拡大が課題になっている。コンテンツ利用に対する課金が可能な業態への転換を模索しており、「コンテンツをあらゆるルートに流通させる巨大なプロバイダー(接続業者)に変貌する」と強調している。
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