ユーザー志向の果てに 「グーグルゾン」の予感
アマゾン・ドット・コムは「顧客第一」。グーグルは「ユーザーの役に立つために」。10月28日、日経BP社が主催する「WPC EXPO 2005」の基調講演に米国を代表するインターネット企業の両雄が登場し、両社の講演者はそれぞれこんな企業理念を力説した。ネット社会の未来を描いた短編映像「EPIC 2014」で「グーグルゾン」という言葉が紹介されてから1年。両社を結びつける共通のキーワードとして「ユーザー志向」が浮かび上がった。
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アマゾン・ドット・コムは「顧客第一」。グーグルは「ユーザーの役に立つために」。10月28日、日経BP社が主催する「WPC EXPO 2005」の基調講演に米国を代表するインターネット企業の両雄が登場し、両社の講演者はそれぞれこんな企業理念を力説した。ネット社会の未来を描いた短編映像「EPIC 2014」で「グーグルゾン」という言葉が紹介されてから1年。両社を結びつける共通のキーワードとして「ユーザー志向」が浮かび上がった。
インターネット小売業最大手の米アマゾン・ドット・コムは年内をメドに書籍の中身を検索できるサービス「サーチ・インサイド・ザ・ブック」を日本で始める。キーワードを含む書籍のページを探し出して、ネットで一部を読めるようになるため、書籍の内容を確認してから購入することができる。来日中のカル・ラーマン上級副社長が28日、パソコンの展示会「WPC EXPO 2005」(主催・日経BP社)の基調講演で明らかにした。
大手新聞社が相次いでインターネットで音声のニュース番組を配信する「ポッドキャスティング」を始めている。日本経済新聞社、毎日新聞社に続いて、読売新聞社も24日に約20分の番組を配信する「読売ニュースポッドキャスト」を開始した。アップルコンピュータ日本法人が集計しているポッドキャストの人気ランキングによると、26日夕の時点では「日経ブロードバンドニュース」が1位、「毎日新聞ポッドキャスト」も22位に入るなどニュース番組が人気を集めている。
「手数料を下げてデイトレーダーが増えた末にシステムダウン。オンライン証券の業を軽く見てもらいたくない」――。松井証券の松井道夫社長は24日、決算発表の記者会見で、楽天証券がシステム障害を頻発させていることに不快感を表明した。同席した九鬼祐一郎専務も楽天グループが野球や放送などへの多角化を志向していることを踏まえて「松井証券は他社を買収して多角化することなく、本業のシステム増強にまい進する」と強調した。企業トップが名指しで同業他社を批判するのは異例。
ヤフーの井上雅博社長は21日、楽天のTBSとの経営統合構想に関連して「今日から株を買えば、明日から何でもできるのか。そうではないと理解している」と述べた。TBS株を大量取得して、共同持ち株会社の設立をTBSに要求している楽天の経営姿勢を暗に非難したものだ。楽天のようなテレビ局の「買収戦略」については「考えていない」と言明した。東京証券取引所で記者団の質問に答えた。
楽天のTBS株大量取得は、新興ネット企業が既存メディアに「待ったなし」の判断を迫っている構図を浮き彫りにした。既存事業を堅持しつつ、ネットの新事業をじっくり育てようと構えていた既存メディアと、先を急ぐネット企業との時間感覚のズレが目立っている。
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東京・新宿駅前ビルの壁に巨大なQRコード(二次元コード)が登場した。正体はノースウエスト航空の屋外広告で、「トラベル川柳キャンペーン」への誘導のためのQRコードである。縦9.17メートル、横10.94メートルのクリエイティブは、「QRコードを主とした屋外媒体のキャンペーンとしては最大級の大きさ」(広告を扱ったマインドシェア・斎藤謙一シニアプランナー)で、通りがかる買い物客の目をひいていた。
ライブドアの照井知基上級副社長は7日、千葉市内で開催とされている情報技術機器の国際見本市「CEATEC JAPAN2005」で講演し、11月に開始する予定の無線LAN(構内情報通信網)事業に関連して米イーストマン・コダックとの提携に意欲を示した。コダックが米国などで発売している無線LANに接続できるデジタルカメラとライブドアがネットで提供しているブログ(日記風の簡易サイト)を連携させたサービスなどを検討している。