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グーグル、ネットCM放映参入 日本が台風の目に?

米グーグルが動画広告のインターネット配信事業に参入した。広告主は「コンテンツネットワーク」と呼ばれるグーグルの提携サイト向けに、消費者が閲覧しているサイトのコンテンツ(情報の内容)に関連した動画広告を配信できる。米国、カナダ、日本の3カ国で動画広告事業を展開する。高額なテレビCMを展開できなかった中小の広告主を開拓し、ロングテール型の広告事業を強化する。

動画広告の「クリック・トゥ・プレイ」はネット検索の利用者がパソコン画面をクリックしなければ動画が再生できない仕組みになっており、強制的にネットCMがパソコン画面に放映される不快感を与えないように工夫した。広告主はアドワーズ広告と同じような入札方式で、予算に応じてグーグルに動画広告配信を申し込める。動画広告を視聴した消費者を広告主のサイトに誘導できた回数に応じて、広告料を支払う。

グーグルの動画広告は米国、カナダよりも、ブロードバンド(高速大容量)通信のネットが普及している日本の広告市場に与える影響が大きいと見られる。ネット広告業界の中には「日本最大のビデオ広告ネットワークが出現する」との指摘もある。日本ではUSENの動画配信サービス「GyaO(ギャオ)」などがネットの動画広告分野を開拓している。グーグルは得意の検索連動型をテコに、文字が中心だった広告に動画を加え、広告事業を日本でも強化する。

テレビCMを放映できなかった地方の中小企業、飲食店などが、コストを抑えながらネットCMをパソコン画面に放映できるようになることで、特定の消費者に動画を使って広告を配信する市場が広がる。全国の映像作家とのネットワークを持ち、動画配信事業を手がけるオーエン(高松市)の東浩司社長は「有名タレントを使って全国的にイメージを売り込むようなテレビCMとは異なり、地方の旅館が旅行に関心のある人向けにキャンペーンを告知するなどの使い方が広がる。各地の映像制作の担い手にとっては追い風になる」と見ている。

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