電通と博報堂DY、ネット広告が成長 課題は収益性
広告代理店大手は2007年3月期にインターネット広告の売上高が前期よりも3-4割増加する見通しだ。電通はグループ全体で前期比30%増の585億円を見込む。博報堂DYホールディングスは今期後半に新会社を設立し、ネット広告を強化。同分野の売上高を前期比45%増の204億円程度にしたい考えだ。両社とも利益水準については、明確な説明を避けている。ただ、粗利率が既存分野よりも低いことを認めており、今後はネット広告の市場開拓を進めながら、収益性を向上させることも課題になりそうだ。
電通は06年3月期のネット広告が前の期よりも58%伸び、同分野の売上高はグループ全体で450億円になった。05年に全体のネット広告費は54.8%増加しており、同社は市場全体の成長率を上回るペースで売上高を拡大させている。博報堂DYはネット広告の売上高が141億円で、前の期よりも38%増えた。ただ、増加率は市場全体の伸びを下回っており「今期は何とか50%近い伸びを目指したい」(保科伸夫専務)としている。
ネット広告の収益性をめぐっては「粗利率は(全体の)14.1%を若干下回っている」(博報堂DY)という。電通は「各案件の利益水準は低いが、グループ会社と本体で二重に利益を得ているケースもあり、全体としてはマス4媒体の広告と同じレベル」と説明している。
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