HBO、「ファイヤーフォックス」を利用して新番組のキャンペーンを展開
米ケーブルテレビ局のHBOは、非営利のモジラ財団が無料提供するブラウザー「ファイヤーフォックス」を利用し、歴史ドラマの新番組「Rome」のプロモーションを開始した。ユーザーはファイヤーフォックスの「テーマ」機能を使い、古代ローマをテーマにした仕様に自分のブラウザーをカスタマイズすることができる。
HBOは8月28日から放映開始する同ドラマを盛り上げるために、ネットユーザーが必ず利用するブラウザーに着目。先進的なユーザーが利用しているファイヤーフォックスは、シェアが10%に満たないものの、ユーザーが自分好みに上部のデザインとボタン類を変更できる機能を評価した。「テーマ」をダウンロードし、更新すると、ブラウザーの上部に「Rome」のロゴ、放映時間、HBOのロゴを常時表示し、ユーザーの認知度をアップできる。
ローマ仕様のブラウザーは「Rome」のサイトかファイヤーフォックスのサイトからダウンロードできる。他にプロモーションで利用した例として映画「Batman Begins」があり、こちらもワーナーブラザーズのサイトからダウンロードできる。HBOもタイムワーナーグループのケーブル局。同グループは傘下のAOLがインスタントメッセージのアイコンをカスタマイズしてユーザーの支持を得た成功事例にならって、「テーマ」を積極活用しているようだ。
ブラウザーのツールバーを利用するキャンペーンは、ファイヤーフォックス以外でも実用例がある。リッチメディア広告のUnited Virtualities(本社:米国ニューヨーク州)が「Ooqa-Ooqa」というソリューションを提供。英国で子供向けの映画「シャーク・テイル」のキャンペーンで採用されている。サイトにアクセスすると自動的にツールバーがスポンサー仕様になるようになっている。ただ、米国での採用実績は伸びず、ユーザーの了解なしにツールバーを入れ替える行為が広告主にも受け入れられなかった可能性がある。
ファイヤーフォックスのテーマはユーザーの意思で変更できるため、ユーザーからの苦情を心配せずに、一定規模のマーケティング効果を望めそうだ。今後この手法が新たな販促ツールとして定着するか注目したい。
<参考>
HBO enlists Firefox for series promotion (CNET: August 15, 2005)
HBO series “Rome” to feature Firefox theme (Spread Firefox: August 15, 2005)
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