映像を使う口コミマーケティング--ガーラの戦略
電通と共同でインターネットの口コミ情報調査を手掛けるガーラはネットを通じて口伝えに商品を消費者に浸透させる新しいマーケティング事業に乗り出す。ガーラの口コミマーケティング「バイラルプラン」は若者がネットで話題にしやすい題材の映像「バイラルムービー」をネット配信して、ブログ(日記風の簡易サイト)などを通じた口コミ情報を発生させる仕組み。マスメディアを活用した従来型のマスマーケティングが通用しなくなったとされる若年層向けの新手法として売り込む方針だ。
口コミ情報の調査・分析は電通と提携し、「電通バズリサーチ」として10月にサービスを開始する。掲示板サイトの「2ちゃんねる」、ライブドアが提供する「ライブドアブログ」などに書き込まれた文章の内容を調査して、消費者の意向を分析する。3年間で300社の顧客を開拓する計画だ。ガーラは電通バズリサーチなどでネットから得られた口コミ情報の分析結果を活用して、逆にネット経由で顧客企業の商品を消費者に認知させるマーケティング事業も展開できると判断した。
口コミ情報を発生させる手段として「バイラルムービー」を活用する。一見、商品とは関係ないものの、消費者の関心を抱かせる内容にする。米国では、ファストフード大手バーガーキングが「サブサービエント・チキン(従属するニワトリ)」というサイトを使った「口コミマーケティング」を成功させている。ニワトリに対して「飛べ」「踊れ」などと命令するとニワトリの着ぐるみが命令に従うという映像の内容が人気を呼び、結果的にチキンサンドの販促に一役買ったという。
ガーラは日本でもバイラルムービーを使い、ネットに口コミ情報を発生させれば、消費者がブログや電子メールで映像の存在を連鎖的に伝えてゆき、顧客企業の商品なども効果的に消費者に浸透していくと見ている。バイラルとはウイルスの意味で、ウイルスが感染するように口コミ情報が伝わっていく効果を狙っている。テレビやラジオを使った宣伝戦略を練るメディアプランニングに加え、ブログやコミュニティーサイトを通じた口コミ情報戦略を策定する「バイラルプラン」も企業の販促活動として定着するとしている。
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