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地デジのIP配信は「全国で」――情報通信審議会

singikai インターネットプロトコル(IP)技術を使った地上デジタル放送のテレビ番組配信が具体化に向けて動き出した。情報通信審議会(総務相の諮問機関)が29日の総会=写真=でネット技術を使った「IPマルチキャスト」と呼ばれる方式による番組の再送信を2006年に始めるとの方針を盛り込んだ答申をまとめた。日本民間放送連盟はIP技術による再送信について「難視聴世帯向けの補完」という位置づけに限定するように主張しているが、答申は「IPインフラ活用の可能性を全国に開いてこそ、投資効果が高まり条件不利地域におけるインフラ整備も加速される」との見方を明記した。

情報通信審議会の答申は06年にSD(標準)放送の番組配信を開始し、08年にはHD(高品位)放送を全国で始めることを提案。これと並行して07年に衛星による番組の再送信も始める目標を掲げている。総務省はテレビ放送がアナログからデジタルへの全面移行する11年7月24日を「Xデー」と名付け、新聞広告などを通じた告知活動を強化している。ただ、移行期間が6年間に限定されているため、同審議会はIP技術を使った光ファイバー網による伝送、衛星による再送信など「あらゆる手段を検討することが必要」(臨時委員の村井純・慶応義塾大教授)と強調している。

IPマルチキャストは著作権法上の「有線放送」なのか「自動公衆送信」なのか不明確な部分もある。答申は著作権法上の取り扱いについて政府が早急に検討することを求めた。技術面では、IP技術はケーブルや衛星などの伝送媒体でも活用可能だと指摘。「衛星やケーブルなど他のメディアとの技術の共用化の可能性を検討する場を設置し、06年中をメドに結論を得る」としている。

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