「グーグルゾン物語」を読み解く(1)
「グーグルゾン」という名前のインターネット企業をご存知だろうか。ネット検索サイト「グーグル」などでこの社名を調べてみれば、その正体はすぐに判明する。昨秋、ネットで広まった米国メディアの将来を予測する短編映像「EPIC2014」に登場する架空の企業のことだ。この映像作品が皮肉混じりに描いたのは、グーグルなどの新興ネット企業がニューヨーク・タイムズをネット事業撤退に追い込むという10年後の「業界地図」だった。
「グーグルゾン」という名前のインターネット企業をご存知だろうか。ネット検索サイト「グーグル」などでこの社名を調べてみれば、その正体はすぐに判明する。昨秋、ネットで広まった米国メディアの将来を予測する短編映像「EPIC2014」に登場する架空の企業のことだ。この映像作品が皮肉混じりに描いたのは、グーグルなどの新興ネット企業がニューヨーク・タイムズをネット事業撤退に追い込むという10年後の「業界地図」だった。
日経メディアラボは5月24日、矢野直明・明大客員教授(元アサヒパソコン編集長)、鈴木祐司・NHK放送文化研究所主任研究員、山岸広太郎グリー副社長を招き、「メディアの10年後を考える」と題したシンポジウム(司会は日経メディアラボ所長の坪田知己)を開催した。マスメディアとインターネットの共存関係やネット時代のジャーナリズムの役割などについて意見交換し、メディアが多様化する過渡期に既存メディアが社会の中でどう位置付けられるのかを再検討する必要性が浮き彫りになった。
デジタルメディアの興隆で、メディアビジネスの大変革期を迎えた今、この問題に関心のあるビジネスマン、技術者、研究者の情報交換の場として、日経メディアラボが事務局になって、「メディア懇談会」を創設しようと考えています。
5月24日開催のシンポジウムは、そのきっかけ作りのイベントでした。ご関心のある方は、日経メディアラボにお問い合わせ下さい。
日経メディアラボ 所長 坪田 知己
ニューヨークタイムズは、噂されていた有料サービスの概要を発表した。ニュース部分については無料のままで、社説(Editorial/Op-Ed)を有料サービスとする。このサービスを購読すると、1980年までのアーカイブも無料となる。サービス内容も議論の余地があるが、注目すべきは、新聞購読者が無料でこのサービスを使える点。有料サービスの先輩であるダウ・ジョーンズのWSJ.comは新聞購読者が割引料金を適用されるが、無料ではなかった。
日本経済新聞社
日経メディアラボ所長
坪田 知己
日本経済新聞社は2005年3月、メディア研究のための機関として「日経メディアラボ」を開設しました。
新聞の発行総部数が減少し始め、さらに人口減少、高齢化が進む中で、新聞社として、ニュースの伝達、ジャーナリズムを維持するために、どのような事業形態があり得べき姿かを研究するのが主目的です。