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メディア激動期の先にあるものを見つけるために
~日経メディアラボ開設のごあいさつ~

tphoto日本経済新聞社

日経メディアラボ所長

坪田 知己

日本経済新聞社は2005年3月、メディア研究のための機関として「日経メディアラボ」を開設しました。

新聞の発行総部数が減少し始め、さらに人口減少、高齢化が進む中で、新聞社として、ニュースの伝達、ジャーナリズムを維持するために、どのような事業形態があり得べき姿かを研究するのが主目的です。

しかし、最近のライブドアによるニッポン放送株買収事件のように、新旧のメディアがビジネスの現場で対立・提携を行う場面が増えつつあります。

「メディアはどうあるべきか」は、ビジネス的な視点も大事ですが、もっと大きく、社会のあり方と関係してきます。新聞やテレビが工業化文明、特に国民教育、大量生産・大量販売と「双子の兄弟」のように手を携えて発展してきたことは周知のことです。

安価に世界中の誰かと連絡出来、様々な情報が入手出来るインターネットの時代に、メディアがどうなっていくのかは、まだ未解明の問題です。

インターネットは、技術や運営に「自律・分散・協調」というポリシーが貫かれ、それが発展の要因だったと言われます。

企業組織や、社会が、ピラミッド構造から緩やかに連関した「自律・分散・協調」のネットワーク構造になっていく――というのが多くの識者の見方ですが、それを支えるメディアはどうあるべきか――それは、一企業の事業形態の枠を超え、社会的な研究テーマです。

我々、日経メディアラボは、「技術」「社会(利用者の意識など)」「ビジネスモデル」の変化を追いつつ、同様の研究機関や研究者と連携しつつ、あたらしい時代の構図を読み解き、ホームページなどでアウトプットしていきます。

私は、アラン・ケイの至言、

The best way to predict the future is to invent it !
(未来を予測する最善の方法は、未来を発明してしまうことである)

が大変気に入っており、新しいメディアの構築にも関わっていく考えです。

上記のように、社会的な広がりの中で調査・研究を進めていこうと思います。各方面の方々にお世話になると思います。ぜひ、我々の意図をご理解頂き、ご協力頂ければ幸いです。

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