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サイボウズが日本版「ブラックベリー」構想

P1000516 サイボウズは23日、ウィルコムなど3社と共同でグループウエアソフトを外出先から携帯電話で利用できる試験サービスを開始したと発表した。年内に利用料金などを詰めて、企業向けの商用サービスを始める予定。米国市場で普及している多機能携帯電話端末「ブラックベリー」のような携帯情報端末(PDA)の普及を視野に入れて、スケジュール管理などビジネス用途の機能を強化した自社ブランドの携帯電話開発を目指す。

ブラックベリーは、カナダにあるリサーチ・イン・モーション社の多機能携帯電話端末。電子メール機能の使い勝手がよく、利用者は北米地域で400万人以上になっているという。サイボウズの青野慶久社長は同日の記者会見で「ブラックベリーは日本にも上陸してくるだろう」と述べ、日本でも電子メールなどの通信機能を強化したPDAが普及するとの見通しを示した。企業内で使うグループウエアを外出先から操作できるビジネス用途の携帯電話の市場に参入し、日本版「ブラックベリー」の普及を狙う。

サイボウズが新市場参入のパートナーとしてウィルコムを選んだ背景には、同社がキーボードを搭載したPDA型のPHS「W―ZERO3(ダブリューゼロスリー)」を商品化していることがある。試験サービスではキーボードのない一般的な携帯電話からの操作となり、W-ZERO3は使えないが、記者会見=写真=に同席したウィルコムの瀧澤隆執行役員は同機種からグループウエアを利用する構想について「ブラックベリーよりも断然良いサービスになる」と強調した。

サイボウズは自社の既存サービス「フィードパス」などを組み合わせて、携帯電話から社内の情報だけでなく、ビジネス関連のコンテンツ(情報の内容)も収集できる環境を用意し「(電子)秘書のようなサービス」(青野社長)を実現したい考えだ。

新サービスは課金請求や顧客管理を子会社のインフォニックス(名古屋市)が担当。グループウエアを携帯電話から操作するソフトの開発はゆめみ(東京・港)に委託した。試験期間に10-20社の利用を見込み、1年間に2-3万人の利用者を獲得する計画だ。需要開拓のほか、インターネット利用に関連した安全性の検証などが課題になる。サイボウズはグループウエアソフト市場で国内2位。2万3000社での導入実績があるという。

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