ネット広告、雑誌に迫る勢い--2年連続で5割増
電通が20日発表した「2005年日本の広告費」によると、国内のインターネット広告市場は前年と比べ54.8%増の2808億円となり、テレビ、新聞に次ぐ広告媒体である雑誌に迫る規模に成長した。雑誌広告の市場規模は02年以降、4000億円前後で推移しているため、ネット広告の好調が続けば、06年にはネットが第3の広告媒体になる公算も大きくなってきた。
日本の総広告費は2年連続で増え、前年比1.8%増の5兆9625億円だった。テレビ、新聞、雑誌、ラジオの4媒体はいずれも前年割れで、4媒体の広告費が0.7%減の3兆6511億円にとどまる一方、ネット広告の伸びが目立った。ブロードバンド(高速大容量)通信の普及を背景に広告スペースの開発や販売が活発になり、広告単価も上がったという。キーワードの検索に応じて広告を表示する検索連動広告費は590億円。携帯電話向け広告は288億円だった。
06年の総広告費はサッカーのワールドカップなどのスポーツイベント開催を背景に2.1%増の6兆883億円となる見通し。マスコミ4媒体の広告費は0.8%の伸びにとどまるものの、ネット広告がけん引するマスコミ4媒体以外の広告は4.1%増加し、総広告費は5年ぶりに6兆円台を回復する見込みだ。
04年にラジオを抜いたネット広告は2年連続で50%以上の成長率を維持。これまでは07年に雑誌広告を抜くと予想されていたが、06年も急速な成長が続くと見られ、予想を1年前倒しする可能性もありそうだ。
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